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四大陸選手権・男子フリーを見て

私の住んでいる地域では四大陸選手権・女子フリーのみの放送でしたので
BSでの放送を大変心待ちにしていました。
昨日も仕事でしたので、録画しておいた男子フリーを深夜観戦。
最終グループのみ見ましたが、世界選手権並みの迫力に
深夜であるということを忘れて見入ってしまい、
眠ろうとしてもなかなか眠れないほどエキサイトしてしまいました。


1番滑走となったライサチェック。
最初の4回転は本田さん曰く「回転不足をとられているかも」
とのことでしたが、ジャッジはしっかりと4回転認定の上
0.6の加点をもらい、結果としては10.4の得点となっています。
彼はジャンプの高さがないのでいつもぎりぎりのところで
着地を決めてくる印象があるんですよね。
このあたりが優勝したチャンとの評価の違いにも
結びつくのかな・・・と思います。
しかし、今季初めてといって良いほど素晴らしいフリーでした!
最初の3アクセル以外は全てジャンプを決めてきて、
このタラソワ振付のプログラムはジャンプをきちんと決めれば
こんなにも迫力のあるプログラムなんだ・・・・・・
ということを初めて知った思いです。
音楽も、クーリックのようにオールラプソディーインブルーではなく
同じガーシュイン作曲のピアノ協奏曲を上手に効果的に組み合わせていて
これは地元での世界選手権を大いに盛り上げそうなプログラムだ・・
と確信しました。ぜひ地元で表彰台にあがってほしいです!


2番滑走は同じくアメリカのムロズ選手。
曲はバッハのトッカータですか、なるほど。
ジャンプのミスが目立ち、本人の落胆している姿が痛々しかったです。
しかしシニアに上がっていきなりこの世界選手権クラスの
グループで滑るというのは、緊張するなというのが無謀というもの。
彼にとってはここで力を発揮するというよりは、
本番の世界選手権に向けて緊張を味わういい練習になったのではないでしょうか。
同い年にパトリック・チャン選手、日本では無良選手がいると
西岡アナが言っていましたが女子では浅田、キム選手と
本当に日本で言えば高校3年生世代は大変な世代ですね。
同学年の選手たちの活躍をいい刺激に変えて成長してほしいな、と思います。


3番滑走は小塚選手!
思えば彼は今シーズン、一度も表彰台を逃した事がないんですよね。
これは本当にすごい事だと思います・・・・・・
フリーでは織田選手に及びませんでしたが、SPの戦い方も含め
とにかく「勝つこと」が重要。
そして彼のもっと素晴らしいところはあくまでも「攻めて」
表彰台を勝ち取っているところなんですよね。
今回もやっぱり4回転トーループに挑戦してきましたが、
転倒しながらもちゃんと4回転と認定されていることに
彼が今季こだわり続けてきたことの意味を見たような気がしました。
最初から最後まで流れるようなスケーティングとプログラム。
この大会では一番ストーリー性を感じるプログラムです。
SP,フリー、エイキシビション、と全て違う印象のプログラムで
佐藤有香ちゃんの手腕も光ります。彼女にも振付賞をあげたいほど。
後半見せ場の3アクセル、ここ数試合は転倒や抜けたジャンプになったりしましたが
今回は回転不足の2フットをとられながらもおりました。
点数は1.89にしかなりませんでしたが、クライマックスに向けるジャンプとして
おりたことが重要ではなかったかな・・・と思います。
もうスタミナを十分使い果たしたはずなのに、最後のスピンは全くスピードが落ちず
プログラムを盛り上げる最高の締めくくりでした。
決してパーフェクトな演技ではなかったのに、佐藤先生が長い拍手、
私もスピンのところからはずっと手を叩き続けていました。
もう後は世界選手権の表彰台を残すのみです。
彼が今季攻め続けてきた姿勢をぜひ貫いて最後まで攻めて欲しい。
そうすれば表彰台も、オリンピック枠も結果は後からついてくると思います。


4番手のパトリック・チャン選手。
バンクーバーの本番でもこの大声援を味方につけて
金メダルに絡んでくる選手になってきたということを
改めて証明した大会になりました。
彼も今季のフリーでは一番パーフェクトな演技になったと思います。
3アクセルのコンビネーションの失敗を忘れるほどに。
SPでは同じような振付が気になりましたが、フリーはそれも気にならないほど
素晴らしい演技を見せてくれました・・・
西岡アナが「氷の上だという事を忘れてしまう」と言っていましたが
本当に雲の上を飛んでいるような呼吸をする事を忘れて
見入ってしまうかのような演技でした。
2期前の浅田選手のSP「ノクターン」でも同じことを思いましたが
この二人のスケーティングは本当に素晴らしいと思います。
こんなスケーティングをされると、ジャンプもステップみたいに
見えてきてしまうから不思議ですね。
次は世界選手権という重要な責任を担った大会になりますが、
今回のようなスケートをしてしまうと例えヨーロッパ勢がきても
恐れるものは何もないのではないでしょうか。


5番滑走、アボット選手。
今季は4回転は封印していくのだろうと勝手に予想していましたが
公式練習では一番4回転の成功率が高かったそうで、
フリーでも最初に4回転に挑戦してきました。
惜しくも抜けてしまって2回転になりましたが、
しかしいつの間にこんなに表現力の高い選手になっていたのでしょう。
まるでジョニーウィアー選手のようなしなやかな身のこなし、
そしてジャンプも迫力がありますので決まった時の心象が大きい。
本田さんが「ジャンプを飛ぶ前と飛んだ後のスピードが一緒」
と評していましたが、それがこの素晴らしい演技につながっているのですね。
小塚選手に足りないものといったらアボット選手のような
ジャンプを降りた後のスピードかな、と思います。
それができればプログラム全体がもっと流れていくと思います。
話が横道にそれました、アボット選手ルッツはSPに引き続き転倒しましたが、
後は本当に素晴らしくて何度も繰り返して見たくなるような演技でした。
フリーだけだと6位、総合5位と順位を落としその落胆振りは見ていて
気の毒なほどでしたが全く悲観する事はなく、全米選手権直後で
体調が万全では無い中、むしろ世界選手権に向けて試合に対しての
いいシュミレーションができつつあるのだな・・・と実感した次第です。
世界選手権で彼に注目したいのは、フリーで4回転を飛んでくるのか
そのことだけですね。SPの順位によると思いますが。


最終滑走となった織田選手。決して悪い演技ではなかったのですが
最終滑走という事と、リンクの狭さで演技全体が小さく見えたような気がしました。
ただ、そんな中でも小塚選手を抑えてフリー3位に入ったことは
こちらも世界選手権に向けていいリハーサルが出来たのではないかと思います。
彼もチャン選手と同じくジャッジに愛される選手で加点の幅が大きいのが強み。
こなすべきエレメンツをしっかりとこなせれば、やはり今の時点では
世界選手権の表彰台に近い選手の一人なのではないかと思いますね。
彼にしてはもう一つ音楽にのりきれていない気がするので、
3月の本番に向けていい調整をしてきてくれれば・・・と思っています。


この後は22日のエキシビション、そしていよいよJスポーツでも
四大陸選手権の放送が始まりますので楽しみに待ちたいと思います。
by sasha_2006 | 2009-02-15 10:44 | フィギュアスケート